設立主旨書

1. 設立の趣旨

   近年神奈川県の空き家数も増加の傾向にあり、総務省の平成25年住宅・土地統計調査速報では空き家数486,700戸、空き家率は

 11.2%という報告がなされています。全部について管理が行き届いてないというわけではないでしょうが、約88,900戸が腐朽有りの状態で、空き家による外部不経済は、防災・防犯、衛生、景観など多岐にわたり、様々な面で問題を地域に投げかけている状況にあります。

   神奈川県の南部に位置する藤沢市においても、空き家問題は大きな課題として近年注目されてきております。その中でも私たちが生活する片瀬・江の島地域が、市内でも特に高齢化率が高く、空き家による問題事象が多彩で深刻であることを目の当たりにして、私たちも何とかしたいという思いから、地域住民が中心となって自主的に地域課題を検討する地元の会へ参加し、空き家対策について様々な角度から議論し解決に向けた方策等の検討を重ねてきました。そして、ここでの検討を活かし、「特定空き家」の未然防止のため地域への啓発活動に力を入れていきたいという考えに至ったものです。

空き家対策については、実態把握に取り組むこと、関係各所との連携とワンストップ化を図ること、地域の特性に応じた対策を実施すること、管理されない空き家の発生を予防すること、まちづくり地域づくりの観点から取り組むことが必要であり、利活用促進という面においては、広い地域と連携を取ることにより、福祉サービスなどの誘致や住み替え需要のマッチングなど、多岐に渡るサービスの展開を図ることができるものと期待しています。私たちの認識するこの地域課題は、前述のとおり近隣地域においても共通の課題であり、身近な事例の解決から得られたノウハウを広く湘南地域全体で共有していくことが望ましいと考えています。家の存在は多くの人にとって最大の財産であり、地域社会全体の資産価値を決めると言っても過言ではありません。誰もが住みやすく精神的にも経済的にも豊かな次世代に繋いていくために必要不可欠な活動であり、より良い地域のために地域コミュニティの一員として、住民・行政・企業との連携を図り、空き家を所有する側、利活用する側、地域の近隣の方々が、「ウイン・ウイン」の関係が築ける活動を展開していくことを考えております。

 

   この度、法人として申請するに至ったのは、今まで取り組んできた活動を地域にさらに定着させ、継続的に推進していくこと、湘南地域全体へ活動を広げていくために地域の行政や関連団体との連携を深めていく必要があることなどの観点から、社会的に認められた組織にしていくことが最良であると考えたからです。また、活動が営利目的ではなく、地域の方々に参画して戴くことが不可欠であるという点から、特定非営利活動法人格を取得するのが最適であると考えます。

   そして、法人化することによって、益々増加する傾向の空き家問題に対し、組織を発展、確立することにより、将来的には高齢者福祉の増進、まちづくりの更なる推進、環境の保全、地域の安全、次世代への育成伝承など、事業を通して地域を支え無くてはならない存在として認められるように努めることにより、また、地域住民一人ひとりが「いつまでも住み続けたいと思えるまち」の実現を図ることの一翼を担うことにより、地域社会に広く貢献できると考えます。

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